ヌードなアタシ
『やりたいことが自分の中で
はっきりしてるんだろ?
しかも、それが出来る環境なんだ、
おまえ、すげぇラッキーなんだぜ。
やりたいなら、諦めるな!
俺、みんなに話して桜木の味方集める。
ダメもとだ、やれるだけのことしよう。
…転校考える前にな』
気付かれていたんだ…
『卓己くん…。ありがとう』
…ジンっと胸が熱くなる。
涙が出そう。
アタシの頭を、わしゃわしゃと荒く撫でて
卓己くんは笑った。
『なにウルってんだよ、桜木。
俺、まだ学校にいる奴らに
声かけてみるな。
…今日も仕事だろ?
ほら、早く行かねぇと』
『うん、仕事。
ありがとう、アタシ頑張る』
ありったけの笑顔で答えた。
卓己くんの姿が滲んで見える。
『じゃあな!』
逃げちゃ駄目だ。
みんなの誤解を解く努力をしよう。
走り去る卓己くんの後ろ姿を見送り
アタシは覚悟を決めた。