ヌードなアタシ
レッスンが終わりバス停にむかっている時
バックの中から、微かなバイブ音が聞こえた。
着信ランプが点滅している携帯電話を取り出す。
瞬くんからのメールだった。
立ち止まり画面をひらく。
『……えっ?』
振り返ると…
アタシの後ろに瞬くんが立っていた。
『まちぶせ…ごめんね。
こうでもしないと、
こまちちゃんと話せないから』
悲しそうに微笑む。
アタシは何も言えずに
瞬くんの顔を見る。
『あ…話したい事があって…
少しだけ時間いい?』
瞬くんは先にある喫茶店を指差した。
アタシは頷き、瞬くんの後について行く。
『CM見たよ…』
いつもの笑顔。
優しい話し方も変わらない。
テーブルに着きアイスティを注文する。
『短い髪も似合うね。
すごい活躍で…なんだかオレ
思いっきり取り残された感が大きいよ』
『……瞬くんとアタシは
もう関わり無いんだよ。
奈緒がいるのに…
彼女がいるのにそんなふうにするから、
気があるような素振り見せるから、
ゴタゴタのドロドロになるんだよ。
そんなんじゃ
同じような事を、また繰り返すもの。
奈緒、辛い思いする…』