ヌードなアタシ
『うん』
『そう…
まぁ、こまちなら
どこの高校に行っても大丈夫だから…』
『あ…それでね、
今、クラスの人達が署名集めてくれてるの。
経済的な理由でアルバイトをしたい生徒だっているはずなのに、それを無視した校則はおかしいんじゃないかって』
下を向き野菜を切り始めてたケイちゃんは
顔を上げて、目を輝かせた。
『へぇ…クラスの人達が?』
アタシの話を促した。
『うん、そうなの…すごく嬉しかった。
アタシの事、応援するからね、って
がんばろうね、って言ってくれたんだ』
『そっかぁ…
優しいクラスメイトに恵まれたね』
『うん…だから、ホントはね
学校辞めたくないよ…
せっかく仲良くなれたんだもん』
『そうね…』
『まだアタシ、クラスに馴染んでなくて
あんまり話した事も無いのにだよ?
みんな、一生懸命になって
署名を集めてくれてる』
餃子を包んでいた手をとめた。
『モデル認めてもらうの厳しいと思う。
特にウチの高校は伝統とか重んじるし…
先生方からしたら、この仕事って
チャラチャラして見えるよね。
アタシ
学校辞める事になると思うけど…大丈夫。
離れてしまっても、モデル続けてたら
きっと、みんな応援してくれる。
その事で繋がっていれると思うから
……つらくないよ』
ケイちゃんに笑ってみせる。
アタシは最後の餃子を包み終え
そのお皿を、コンロまで運んだ。