ヌードなアタシ
アタシはフライパンを熱して油をひき
餃子をきれいに並べて焼きはじめた。
『伝統ある優秀校にしてみたら
こまちみたいな子は問題児なんだろうね』
ケイちゃんはフライパンに
少量の水を足してフタをした。
『アタシって、言うこと聞かないもんね…』
しゅんとする。
『ふふっ』
ケイちゃんが笑う。
『従順であることは日本人の美徳で
幸せをつかむコツだと信じる人も多いわ。
子供だけじゃない、大人の世界でもね。
だからといって、いつも誰かに人生をゆだねて生きていける訳じゃないから
必要な時には自分の意志を貫かなきゃならないの。
そんな時、毅然とNOを言う為には
勇気と覚悟が必要ね。
その強さが自尊心と幸せを
守ってくれるの。
そう思わない?』
『…難しいよ』
ケイちゃんは切った野菜を器に盛りつけ
ドレッシングをかけた。
『頑張った事が無駄になることは無いの
絶対に。
それは勉強だけじゃないのよ。
こまちが一生懸命頑張った事は
将来必ず、あなたの糧になってくれる。
信じて。
最悪…学校退学になっても
しょげる事ないわ、堂々としてなさい』
『…うん。』
『餃子、良さそうね…食べよっか』
ケイちゃんはニッコリ微笑んだ。