ヌードなアタシ

新聞部から取り上げてきた
アタシのポスターのコピーを
卓己くんはテーブルの上に置いた。



『松本さんに桜木の様子を聞かれてさ、
CMの反響すごくて騒がれてるって話したんだ。

前に撮った背中出してるポスターの
コピーが学校にバラまかれそうになって
桜木の立場が厳しくなってるって言ったら

松木さんの顔色が変わったんだ…

問い詰めたら話したよ、
以前、奈緒に桜木のポスターの話をしたら
見たいってせがまれて…
もっていた雑誌の写真をカラーコピーして
奈緒に渡したって…』


奈緒は黙って俯いている。


『これ…見せたら、
渡したモノと同じだって言った。

奈緒だったのか?
新聞部に、これ持ち込んだの』


奈緒が……?
アタシは戸惑い、卓己くんを見つめる。


卓己くんは、チラッとアタシを見て
視線を落とす。
そして、まっすぐ奈緒を見据えて言った。



『おまえら、親友じゃなかったのかよ。
奈緒さ…桜木と友達になれて嬉しいって
俺によく話してたじゃねぇか。

さっぱり、わかんねぇ…

最近のおまえ、何考えてんだよ』



卓己くんは怒るというよりも
心配そうに奈緒の顔を覗き込み反応を伺う。

しばらく沈黙が続く。


冷房が効いた店内は肌寒く
アタシの指先は冷たく微かに震えてる。

何が何だか分からない…



『奈緒、話せよ。
もう、こんなのやめにしようぜ…』

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