ヌードなアタシ

『そぉ?
だって、親友には何でも話すもんでしょ?
こまちちゃんさ、大事な事は
何にも話してくれなかったよね…

モデルの事も叔母さんの手伝いで
チラシ撮るくらいだって。
わたしには、そう言ってたのに…

昨日、クラスのみんなには
情熱とプライドもって
仕事してるって言ってたじゃない?

ジーンズのポスターの事だって
だいぶ後から、瞬くんに聞いたし
本格的に仕事始めた事だって
わたしが聞いた時には
もう、すでに卓己くんは知ってた…

わたしの存在なんて無視って感じよね』



『そんなつもりじゃ…』


言葉が詰まる。
確かにアタシは言葉が少ない…。


『あまり自分の事話すの得意じゃないの。
ごめんなさい、言われて気付いた…
そうだよね、そう思うよね。

アタシ、友達とかいなかったから
うまく出来なくて…』



『それも、瞬くんから聞いたわ…
卓己くんだって知ってるんでしょ?
…ほらね、わたしはカヤの外』



アタシ…奈緒を傷つけてたの?



『違うよ!あのね…
アタシ隠してたつもりなんて全然無い。
話しの流れの中で言うつもりだったし
奈緒に聞いて欲しいと思ってた。

だって、ずっと一緒にいて
時間はいっぱいあって
もっと、もっと話しが出来ると思ってた…』



ガタッ…
勢いよく奈緒がカップをテーブルに置く。

唇を噛みしめる。
伏せた目からはみるみる涙が溢れ出した。



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