ヌードなアタシ

奈緒は声を荒げる。
と同時に、両目から涙が流れ落ちた。



『最初は、ちょっとしたイタズラ心。
こまちちゃんが、少しだけ
わたしにジェラシー感じたらって…

でも…瞬くんと話しているうちに
だんだん彼の事が好きになって…

ブレーキ掛けようとするんだけど
駄目だって思うと余計に
気持ちが高ぶって…』



『…まぁ、結果
お互い好きになったんだろ。
思い通りになったんだ…すべて。

めでたし、めでたしだよな?
それなのに何で桜木に攻撃するんだよ』


卓己くんは腕を組み、ため息をつく。
奈緒は涙も拭かず睨み返した。


『なんで、みんな…こまちちゃんばっかり
優しくするのよ!

瞬くんだって、
わたしを好きって言ったのに…

結局、忘れてくれない。
一緒にいても、上の空なんだよ。
惨めだよ。
敗北感に堪えられなくて…別れた。

辛い気持ちで学校に行くと
こまちちゃんと卓己くんが
いつも仲良くしてて…

わたしの友達だったのに。

大好きだったのに…
卓己くんも、とられたの。

そんな時だった。
TVのCMに映ってる
こまちちゃんの幸せそうな笑顔を見て
くやしいって思った…

学校にバレたから
退学になると思ってたのにさ。
いつのまにかクラスのみんなが
応援してて、署名なんか始めるし…』



『それで、写真で追い打ちかよ』


< 295 / 346 >

この作品をシェア

pagetop