ヌードなアタシ

『そんな自己中な奈緒の行動に
振り回された桜木が、一番可哀想だ。

冷静に考えろ、奈緒…

ある日突然、親友に彼氏を取られ
身を引いたのに逆恨みされ
悪意に満ちた裏工作で
退学させられちまうんだぜ』



卓己くんの顔をじっと見ていた奈緒は
視線をゆっくり落として
自分の手元を見つめた。

しばらくじっとして動かない。



『もう、やめろよ奈緒…

桜木は、おまえに裏切られたけど
仕返しとかしてきたか?
してねぇだろ?

学校に来ないおまえ見かねて
家にまで押しかけて

心配してたんだぜ…

今のお前は、嫉妬心を丸出しにしてて
惨めで醜い。

イヤな事、うまく行かない事は
全部、誰かのせいにしている。

逃げてんじゃねぇよ、
自分が蒔いた種だろ?

いい加減、目を覚ませって!』



奈緒がピクリと動く。

ゆっくり顔を上げて
深く息を吸い込み静かに吐き出した。



『わかってたの…

あの日、卓己くんがわたしに
何やってんだよって怒って…
瞬くんが、わたしから目をそむけて…

これが、わたしが起こしてしまった行為の
結果だったんだって。

わかってたのに。

認めたくなくて
無理矢理、状況を変えようと必死だった。

馬鹿だね…』


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