ヌードなアタシ
スリッパに履き替え、
ナイロンのキャップと
ブルー地の割烹着のような服を着けた。
『ウイルスや雑菌の予防です。
こちらにどうぞ…
床がペタペタとスリッパに吸い付きますが
これも、雑菌予防の為です』
機械が並ぶ部屋の奥のに
ベッドがあった。
狭い隙間を縫う様にして歩き
ケイちゃんとアタシはベッドの横に並んで立った。
『………ママ?』
声にならない声で、ママを呼んだ。
ママは、もうママじゃなかった。
ジャバラ状の管が口に差し込まれ
固定させるのに絆創膏でとめられてた。
湿った様なコットンが
両方の目に1つずつのせられてる。
細く青白い手は
点滴のチューブが刺されている。
『ママ…』
もう一度呼んでみる。
何の反応も無い…
ジャバラの機械は規則的な間隔で
ポンプのようにママの肺に空気を送っている。
シューっという音にあわせて
ママの胸は規則的な間隔で上下する。
先生がやって来て
目の上にのせているコットンを取った。
ママは半分目を開けていた。
うつろな瞳には焦点が無く
まばたきも無かった。