ヌードなアタシ

居間にいるケイちゃんの携帯が鳴る。


『こまちちゃんが
いつ帰って来てもいいように
ちゃんと居場所を残していたんだな…』


優しく大介さんが微笑む。


『それにしても…
読み込んでるねぇ。
どの教科書も本もボロボロじゃねぇか』


アタシの隣に、一緒にしゃがみ込み
段ボールの中身を物色しながら
大介さんは笑って言った。




『こまち…』


ケイちゃんが引きつった声を出す。

振り返ると、青ざめた顔で
ケイちゃんは携帯を握りしめていた。



『姉さん…容体が急変して…
心臓停止したって…
今、先生が心臓に電気ショック与えてて…
急いで来てくださいって…』



『えっ…ママ?』



アタシとケイちゃんは
顔を見合ったまま…
呆然としていた。



『大丈夫だ!しっかりしろ。
病院に行くぞ。
…ほら、こまちちゃん、立って。
ケイっ、…行くぞ』




アタシとケイちゃんは
大介さんに支えられながらアパートを出た。





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