ヌードなアタシ
チャイムが鳴った。
『桜木…ホームルームの時間だ。
教室に行こうか…』
応接室のソファーに座り
うつむいていたアタシは顔を上げ
先生を見て頷いた。
ケイちゃんは、そのまま職員室に残り
アタシの転校の事務手続きを行う。
アタシは先生の後について
教室にむかった。
クラスの様子は
いつもと変わらない…
授業の無い登校日とあって
なんとなく
のんびりとした空気が漂っている。
先生の掛け声で
視線が教壇に集中すると
教室の雰囲気は
ざわめいた空気に変わった。
『ご家族の不幸で休んでいた桜木が
今日、終業式ということもあり
休みに入る前に
みんなにお礼が言いたいと
少し、無理をして登校してくれました。
そして
大変、残念な事に
本日をもって転校する事になりました』
ざわめきが一段と大きくなり
先生に食って掛かる生徒まで出てきた。
『静かに!桜木が…』
先生は落ち着いているが
教室中に響く大きな声を出す。
一瞬でざわめきが止まった。
『桜木が、みんなに
話したい事があるそうだ…
桜木、こっちへ…』
穏やかな声で
アタシを教壇に立たせて
先生は窓側の壁の隅に異動した。