ヌードなアタシ
『あの…母が亡くなって
アタシ、辛かったです。
そんな中、みんなからの励ましメールが
とても嬉しかったです。
ありがとうございました』
アタシは、しっかりと頭を下げた。
『モデルの事で、みんなが応援してくれて
それなのに、相談もしないで
ちゃんとした、お礼もしないで
転校を決めてしまってごめんなさい…
アタシを受け入れてくれて
励ましてくれたみんなと
一緒に高校生活を送れないと思うと
すごく…寂しくて…
このまま残れたら
どんなに楽しいだろうって思いました。
でも、アタシは
将来やりたい事があって
そのためには大学に行きたいし
お金が必要だし
だから今、
モデルを辞める訳にはいかなくて…
みんなの事、忘れません。
みんなの励ましがあったから
アタシ、これからも頑張っていける。
ほんとうに、ありがとう…』
ほんの4ヶ月…
でも、アタシは、この4ヶ月で
自分自身の根本を変えてしまうほど
激しく強烈な経験をした。
真っ直ぐ前を見て
自分の気持ちを伝えた。
奈緒と目が合う…
奈緒は目を逸らさずにアタシを見て
悲しそうに微笑んだ。
春、出会った頃の
キラキラした情景が心をよぎる。
アタシは目をとして静かに言った。
『さようなら…』