ヌードなアタシ
テーブルには

皮がパリッと香ばしく焼けたチキンソテー
イカのイタリアンサラダ
じゃがいものカレースープ


『こまちちゃんの作ったスープ旨いなぁ』


『違うよ、大介さん。
アタシは煮ただけだもん、料理したのケイちゃんだよ』


『こまちちゃんの愛情が、たっぷり煮込まれてんだ。
ケイの料理技と合わさって、ダブルパンチだな…
旨いはずだ!』


大介さんは、豪快に美味しそうに食べた。


食事が終わり、ケイちゃんが珈琲を出す。



『聞いたよ…ジーンズメーカーの件』

大介さんが静かに言う。
ケイちゃんが話したんだ…


『アタシ頑張るよ』


大介さんは少し悲しそうな顔をした。



『俺は賛成出来ない。

メーカーだぞ。
広告の媒体もハンパじゃない。

肌を露出したこまちちゃんの顔が
雑誌にバンバン載るんだぜ。

まだ…幼い少女だ。
…いいことばかりじゃない

ケイ…わかるだろ?』



ケイちゃんは、両手に持っていたカップをそっと置き
大介さんを見る。


『こまちを撮るのは私よ。

そのへんに氾濫している
グラビアアイドルの裸の写真と
一緒にしないで!

…さっきも話したわ

こまちの持ってる可能性を
引き出したいの。

こまち自身に気づいて欲しいの…』


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