ヌードなアタシ

教室に入り席につく。

奈緒の肩をつつき
プリントを渡す。


『ほんとだぁ、こまちちゃん全部書いてある!』


『あってるかどうかは分かんないよ』


『ん。ありがとう!
あ…えっと、これ…』



奈緒がバッグをゴソゴソさぐり
アタシに差し出した。

手のひらには
ビーズの赤いストラップ…



『これ…作ったの。
昨日、こまちちゃん
かわいいって言ってくれたし…』


赤を基調に透明色とエンジのビーズで
花が作られている。

そこから透明なビーズがヒモ状に2本垂れ下がり、その先に小さな花が付いている。
かわいい…。



『えっ?くれるの?
わあ…かわいいっ。
うれしい…奈緒、本当にうれしい。

ありがとう…』



『うん。
よかった!よろこんでもらえて。

こまちちゃんには赤が似合うと思って…』



『え?…赤?』


『うん。赤!
ほらっ…似合うっ!』



奈緒の手から受け取り、目の前にかざす。



教室に差し込む光を受けて
ストラップはキラキラ揺れた。






< 47 / 346 >

この作品をシェア

pagetop