ヌードなアタシ
放課後

5時間目の現国は
担当の先生が研修会の為自習だった。

課題のプリントは簡単なものだったから
30分もすると終わってしまった。


みんな、それぞれ
好き勝手に時間をつぶしている。


今朝、顔を合わせるなり
奈緒はアタシに
一緒ジャズ研に入部しようと
頼み込んできた。

休み時間も

昼休みも


…そして、今も。


『アタシ音楽知らないし
楽譜も読めないし。

ごめんね、本当に無理だから…』


もう…何度も言っている。


『部長さんも
楽器弾けなくってもいいって言ってたし

ねー、こまちちゃん、おねがい!

女の子ひとりじゃ心細いよぉ』


もう…何度も聞いている。


『こぉまぁちぃちゃーん…ねぇ』


奈緒は両手をあわせ
お願いのポーズ…

はぁ。
……奈緒の粘り勝ち。


『じゃ、奈緒が心細くなくなるまで
付き合って顔をだすよ。

でも、入部はできないよ。

アタシ、一緒に住んでる叔母さんの
手伝いがあるから
クラブ活動とかは厳しいの。

それでいい?』
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