ヌードなアタシ

『…今までは全勝!
せっかく買ってくれたんだもん』



『…兄さんの嫌がらせ?
の、わけ無いね…』


『初めて一緒に
映画に連れて行って貰ったとき

アタシ、
このポップコーンを売店で見て…
あまりの大きさにビックリして…

そしたら、大介さんが
「これ、食べたいの?」って
買ってくれたの。

それ以来…毎回…』



『マジで!?』



『さあ!今回も完食です!』



宣伝放映が終わり映画が始まる。

アタシはポップコーンを口に運んだ。



『甘くて…幸せの味なの』



瞬くんもスクリーンの方を見たまま

アタシの膝の上にあるバケツに手を入れて
食べ始めた。


『ほんとだ、幸せの味…だね』






映画の中間くらいに
バケツの中は空になった。



『2人だと楽勝だね…』

瞬くんは、顔を近づけてささやいた。



< 92 / 346 >

この作品をシェア

pagetop