ヌードなアタシ
『…今までは全勝!
せっかく買ってくれたんだもん』
『…兄さんの嫌がらせ?
の、わけ無いね…』
『初めて一緒に
映画に連れて行って貰ったとき
アタシ、
このポップコーンを売店で見て…
あまりの大きさにビックリして…
そしたら、大介さんが
「これ、食べたいの?」って
買ってくれたの。
それ以来…毎回…』
『マジで!?』
『さあ!今回も完食です!』
宣伝放映が終わり映画が始まる。
アタシはポップコーンを口に運んだ。
『甘くて…幸せの味なの』
瞬くんもスクリーンの方を見たまま
アタシの膝の上にあるバケツに手を入れて
食べ始めた。
『ほんとだ、幸せの味…だね』
映画の中間くらいに
バケツの中は空になった。
『2人だと楽勝だね…』
瞬くんは、顔を近づけてささやいた。