史上最強お姫様の後宮ライフ覚書
「……これでは効率が悪い。10分休憩をくれてやろう。」
やれやれ、といったように大袈裟なため息を吐きながら剣を腰に収めるのは、ランティス・リードという“王室警護軍第三隊長”の肩書きを持つ男だった。
太陽の光を反射するのは短めに切られた黒髪。
右が黒、左が青という少々特殊な瞳は切れ長で、その身体には逞しい筋肉が備わっていた。
確かに、これだけならば好青年にしか見えないだろう。
が、彼は性格という点に少々問題があった。
ひと言で言うのならば、俺様。
つまり、誰に対しても偉そうな口を叩くのだ。
これには、彼の上司である王室警護軍統括指揮官や王室警護軍近衛隊長も頭を悩ませていた。