史上最強お姫様の後宮ライフ覚書



「じゃ、そういうことで。セレーネのことは頼んだわよ~。」


そして、悪戯な笑みを浮かべたまま部屋から出るリスティーヌ。


ディアナは「行ってらっしゃいませ、御主人様~。」と呑気に手を振っているが、縄でぐるぐる巻きにされたセレーネは慌てて「リスティーヌ様!どこに行くつもりですかっ!」と彼女を引き留めた。


あの笑顔は絶対に何か良からぬことを企んでいる顔に違いない、と確信して。


「ん?あぁ、少しだけ城内を散歩してこようかと。」


しかし、対するリスティーヌは特に誤魔化すわけでもなく正直に答えたかと思うと、無情にも扉が閉まる音が室内に響いた。


ちなみに、その言葉を聞いたセレーネがあまりの衝撃過ぎる行動に卒倒した、ということは当然の結果と言えるだろう。


 
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