史上最強お姫様の後宮ライフ覚書
「その…さ。僕としては、あんまり会いに行かない方が良いと思うんだよね。」
「何故だ?」
唐突なその言葉に彼は疑問の言葉を投げかける。
しかし、フューレは困ったようにその黒髪を掻き上げるだけで、それに答えることはなかった。
「まぁ、警告はしたからさ。あとは兄さんの好きにすれば良いと思うよ。」
そして、早々に部屋を去るフューレの姿を見て、青年は黙り込んだまま悩む。
だが、そもそも会いに行くことが億劫だったのだ。
そして今、会うなと警告されたとなると、逆に大義名分が出来たというものだ。