史上最強お姫様の後宮ライフ覚書
そして、完全に男の気配が消えたことを確認すると、リスティーヌは近くの椅子に力なく腰かける。
正直、正妃候補が他にもいると聞いた時点でこうなることは分かっていたが、まさか初っぱなから暗殺者がくるとは思っていなかったのだ。
「見せしめのつもりで私を殺す気だったみたいね…」
そして、祖国で女騎士として戦ってきたリスティーヌは長年の勘からそんな答えを導き出し、再びため息を吐いた。
そもそも、まだこの国に来て一日も経っていないというのに、たくさんのことがありすぎたのだ。
そりゃあ何もないよりはそのほうが面白いのだが、王子に言い寄られたり、初日から命を狙われたのはなかなか骨が折れた。
だが、恐らく今日の出来事などほんの些細なことに過ぎないのだろう。
「とりあえず、ここでの生き方の方向性も見えてきたし、今日はもう寝るか…!」
そして、リスティーヌは大きく伸びをすると、自分の部屋へと向かう。
これから起こるであろう波乱万丈な生活に98%の期待と2%の何かを抱きながら…