史上最強お姫様の後宮ライフ覚書
「ったく、どこの世界にご主人サマをあんなふうに起こす侍女がいるのよ?」
あれから人様にはとても言えないような起こされ方をした彼女は、たらたらと文句を言いながら朝食を口にしていた。
昨日もそうだったが、どうやら城の料理人達は自分達に気を使ってラキアヴェル風の味付けをしてくれているらしい。
そんな心遣いをしてくれた料理人達に心の中で感謝しつつも、リスティーヌは空になったマグカップを今朝の出来事の首謀者へと突きつけた。
「えー、だって普通に起こしたらつまらないじゃん。だからリスティ様にも楽しんで貰おうかなーと。」
しかし、当のディアナは全く悪気がないようで、けろっとした顔でリスティーヌの陶器に紅茶を注ぐ。
それをじとっとした目で睨みつけながら、リスティーヌは口を開いた。
「んで?情報収集は出来たわけ?」