史上最強お姫様の後宮ライフ覚書



しかし、現実とは酷なもので、数日後にリスティーヌは顔も知らぬ皇太子の後宮に入ることは間違えようのない事実だ。


「……ねぇ、ディアナ。何だか私、だんだんムカついてきたんだけど?」

「……は?」


突然、そう言い放ったリスティーヌの言葉にセレーネは凍りついた。


何しろ、この王女様が何か問題を起こす度に迷惑を被っているのが彼女なのだ。


このような反応を示すのも当然のことだろう。


「はい!じゃあ、私に良い考えがあります!」


しかも、もう一人の侍女であるディアナはかなり乗り気のようだ。


キラキラとした笑顔を見せるディアナと、黒い笑みを見せるリスティーヌ。


何か耳打ちをしながら笑いあう二人を見ながら、セレーネはこれから起こるであろう問題を予想して痛む頭を擦るのだった。



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