サクランボ。


高1になって二日目。


教室には、昨日の憎たらしい北野来輝ともう一人見覚えのない男がいた。

「あ、猿と愛」
「ちょ、止めてよ!」

朝からまた喧嘩が始まりそうだ。

ま、姫が一方的に怒って北野がそれを楽しんでるだけなのだけれど。


「あれー?これが噂のまなひめちゃん?」
「そ、まなひめー」
「「誰?」」

少し茶色が入った、ねこっ毛の男は誰の許可もなく、当たり前のように私の席に座ってる。


「わーお、流石双子!ハモったね~★」

なんか朝からテンションの高い男だ。

こういう男も、自分は好きではない。

「俺ー坂本潤。来輝と同中。よろしく~」
「昨日、いた?違うクラス?」
「いや、同じクラス。こいつ昨日熱出して、休んでたんだ。」
「いやー、俺、あーゆーイベントの日、いっつも張り切りすぎて熱だすんだよー。中学ん時もだったわ★」


バカだ…

コイツは絶対バカの品種だ。

へらへら笑って、悩みなんて無さそう…

私は一瞬にしてそう悟った。


それから、私たちはよく4人で過ごすことが多くなった。

夏休みは海。

文化祭だって一緒に周った。




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