サクランボ。
「おはよ。お母さん。」
「あら愛、おっはよー。今日は早いのねー?」
「んーまぁ…」
私達は、三人で住んでいる。
私、佐川愛と姫とお母さん。
お父さんは、13年前に事故で亡くなった。
小さかったので、あまりよく覚えていない。
私と姫は、双子で一卵性。
『どっちがまなちゃんで、どっちがひめちゃん?』
そんな聞き慣れたこの言葉を、小さい頃、うんざりするほどよく言われてきた。
それほど、よく似ている私と姫。
私はそれが嫌だった。
姫と比べられるのが嫌。
私はそれが嫌で髪を姫よりも短くした。
姫はロング。
少しでも、姫と一緒にされたくなかった。
私と姫は正反対の性格。
趣味、行動、口調、思考は全くちがう。
同じのは勉強のできる頭と瓜二つの顔だけ。
「姫は?」
「起こしたけど起きなかった。」
「そぅ…」
起こすのは毎日私。
お母さんは長女である私に頼ってばっかり。
もちろん姫も。
双子なんて、姉も妹をかわりないのに。