小悪魔×俺様
「わり、聞いてた?」

「…バッチリ聞いてた!!何謝ってんの〜!」




あたしは弱味なんて見せない。




弱味見せたらつけこまれるでしょ?




でも…入学して1ヶ月でこれはさすがに辛い。





「無理してる笑顔は見てて痛いぞ?」

「…バカじゃないの…こっち見んなよ。」

「チッ…泣き顔くらい見せろよ。」




誰が見せるか!!




でも…ちょっとだけ泣く。





「はぁ〜…よし、もう大丈夫!!」

「やっぱ咲樹菜はおもしろいな。」





そう言って笑った館木弘夢に、不覚にもドキッてした。




なんだろ、これ…。




顔が熱い…!!





「あ、ありがとね、館木弘夢!!」

「なにが?」

「さっき、あの人に言ってた言葉。超意外だったけど!」

「あぁー…職業柄、噂とか好きじゃねえの。」

「館木弘夢って俺様でムカツクけど…。」

「けど、なに?」





あたし、今…頭のなかで『けど、好きかも』って思った…。




え、なに!?





「俺にホレた?」

「ち、違う!!」





好き…なの!?




わかんないぃ〜〜!!





< 12 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop