小悪魔×俺様
「咲樹菜も、今まで聖人さんに敬語とか使ってねぇじゃん!!照れてんじゃねぇよ、バーカ。」

「はぁ…。」





好き勝手やりすぎでしょ…。




ってかバカって!!





でも…弘夢のおかげでちゃんと言える気がしてきた…。





「バカがあたしのことバカって言ってんな!!でも…うん。ありがと。」

「おう。」





弘夢は繋いでる手に少し力を入れた。




こんな状況だけど…キュンだよ…。





よし…。




深呼吸をしてお兄ちゃんをまた見つめた。




今度は目が合った。






「………ホントは、一生弘夢の家の住所とか教える気無かった。ってか、もう会わないかもって思ってた。」

「咲樹菜…。」

「あの日…お兄ちゃんは優しいから言わなかったけど、ホントはあたしが邪魔だったんでしょ?それくらい、いくらあたしでもわかるよ。」

「は?ちょ、待っ…」

「でも…っだったら…はっきり言ってくれた方が良かったよ…。」

「待てって…」

「あたしが家を出たのは…お兄ちゃんも遥さんも産まれてくる子も嫌いにならないためだった。」






泣かない。




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