小悪魔×俺様
2人とも咲樹菜の家の事情は知ってるから。





「どうしていきなり…?」

「あ…お兄ちゃんの彼女が妊娠しちゃって…。ハッキリ言われた訳じゃないけど、あたしは邪魔だから…。」





この話のたびに寂しそうに笑う咲樹菜。




今すぐ抱きしめてやりたい…。





「でさ…この物騒な世の中だし心配だからさ、1つ提案!この家に住まわせるってどう?」

「「「は!?」」」

「って、咲樹菜にも言ってなかったのかよ!!」





これが俺の提案。




この家なら、誰かかしらいるし。




俺だって近くにいてやれる。





「いんじゃね?」

「その方が安心だよ!!咲樹菜チャンかわいいから心配〜。」

「…咲樹菜は?」





2人はそう言うってわかってた。




わからないのは咲樹菜の返事だけ。





「い…いいの?」

「つか、そうしたい。」

「邪魔じゃ…ない?」

「邪魔なんて思うわけねぇ。」

「本当!?」





また泣く…。




あの咲樹菜がこんだけ泣くんだ。




そうとう辛かったんだと思う。





「俺と暮らすだろ?」

「……うん!!」



< 51 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop