小悪魔×俺様
なんとか堪えて、また荷物をまとめる。




1つだけ、なんとなく解るのはこの家には戻らないだろうってこと。




たとえ弘夢の家を出ることになったとしても。






「よし!!これで最後!!」

「おし。んじゃ帰るか。」




部屋にはほとんどなにも残ってない。




こんなに広い部屋だったんだ。





玄関を出て家を見上げる。





「…行こっか、奏汰さん。」

「あぁ…。」

「咲樹菜、行ってらっしゃい。」

「お兄ちゃん…。」





窓から…か。




最後の方はなんか避けられてた気がする。




ありがとう、お兄ちゃん。




「お兄ちゃん…さよなら。」

「…え?」

「奏汰さん、帰ろ?」





奏汰さんは一瞬ためらったけど、車を出した。





弘夢の家がどこにあるかなんてお兄ちゃんは知らない。




あの家には表札もないし。





「咲樹菜…大丈夫か?」

「あは、なにがー?」





あたしもなんかバイトしなきゃ…。




まだ…考えるのはあとでいいや。





「奏汰さん、これからよろしくね!!」

「おう。」





後悔してないし、あたしは幸せ。




だから全然大丈夫!!




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