パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
「おっ、良く覚えてたな。小型化する為に作られた静電気モーターをな、逆に大きくしたんだよ。本末転倒だろ? ハハハ」


純一郎はバックミラーをちらちら覗き、嬉しそうに笑った。


「加瀬。前を見て運転しろ」


「解りましたよぉ博士。でもなんか、懐かしいと腹減りません?」


流はシートベルトが伸びる一杯まで身を乗り出し、純一郎に向かって微笑む。


「ええ、僕も懐かしいですそれ! 徹夜明けの朝マоクでしょっ」


「ハハハッ、やっぱり流とはツーカーだな。看板見といてくれな」


龍太郎は「朝からコーヒーは胃に悪い」と思っていたが、盛り上がる二人に水を差さないように黙って車窓を眺めていた。


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