パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』

『試行錯誤』







「それにその内の30はまるで違った生物が支配する世界。動く植物や、見たこともない化け物や、美しい妖精のような生き物の世界だ。フンフンッ。そこに治療法を見出だすことは不可能だろう」


「残りの20は、どうだったんですか」


「ああ、フンッ。6つを除いて皆、まだ類人猿や、やっと言葉を使い始めたばかりで進化途中の人類だった」


そこへ流が割り込んでくる。


「でも、6つも可能性の有る異世界が有るんですね。良かった」


「いや。我々より発展した文明を擁しているのは、フンッ。2つだけだった」


「はぁぁ、気分が一気に盛り下がりますよ」


  ふう ふう ずずぅぅぅ


やっと飲み頃になった煎茶を、更に注意深く吹き冷まして純一郎はひと啜りした。


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