パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
純一郎は顎の無精髭をさすりながら、不服そうに肘鉄を付いた。


「なあんでそんな上から目線なのお? 流くぅん」


「あれって、人物から出る個別の波動をキャッチして、周囲に居るのが誰だか解るでしょ?」


流は純一郎に構わず話し始める。


「そうだ。フンッ、事前に波動を登録しなければならんがな」


「そうそう。それが一般に普及しなかった原因の一つでもありますよね」


純一郎は何か言いたげに口をパクパクさせているが、龍太郎が代わりに答えてしまう。


「いや、何よりもあれは高額過ぎた。フンッ、まだそこいらに埃かぶって転がってるだろう?」


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