パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
「解りました。簡素化と小型化に努めます」


自らのツールが採用されるとあって、純一郎は完全に息を吹き返していた。


「では流。その間にフンッ、我々は各アナザー・ワールドに居る筈の我々にコンタクトだな」


「イエッサー、博士!」


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「博士ぇぇえ! 苦情殺到ですう」


潤沢な電力が供給されているはずの研究所ではあったが、度重なるサイクロトロンの使用で軌道上の電磁石が加熱。

熱で抵抗値が上がり、弱まった磁力を補おうと更に電流を投入したことから、龍太郎のラボラトリーが有る第12ブロックのキュービクルが落ちてしまった。

──────────────…‥・

※キュービクル式高圧受電設備

6600vの高電圧で運ばれてくる電気を受け入れる為の機器一式を、金属製の外箱に収めた物。容量以上の電気が流れると、遮断装置が働いて受電しなくなる。


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