パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
「こういう役回りが決まって僕なのは仕方ないけど……」
迷惑を掛けたお詫びにと、ちょっとした菓子折を持って各研究室を回っていた流は重大なことに思い当たった。
彼は龍太郎のラボに戻ってくると開口一番に言う。
「けど博士。こんな小さなアナザー・ワールド・トラベラーでも電力不足になっちゃうんだから、僕らが目指してる乗用A.W.T.を駆動するのは無理が有るんじゃ……」
「そこでフフンッ、また流さんの出番なんですよ」
龍太郎が敬語を使うときは、良からぬ策略を講じている場合に限られる。流は身構えて博士に向き直った。
「こ、今度は一体なんですか」
「そんな極悪人を見るような目付きはよせよ。フンッ、お前のご近所さんにも朗報なんだから」
迷惑を掛けたお詫びにと、ちょっとした菓子折を持って各研究室を回っていた流は重大なことに思い当たった。
彼は龍太郎のラボに戻ってくると開口一番に言う。
「けど博士。こんな小さなアナザー・ワールド・トラベラーでも電力不足になっちゃうんだから、僕らが目指してる乗用A.W.T.を駆動するのは無理が有るんじゃ……」
「そこでフフンッ、また流さんの出番なんですよ」
龍太郎が敬語を使うときは、良からぬ策略を講じている場合に限られる。流は身構えて博士に向き直った。
「こ、今度は一体なんですか」
「そんな極悪人を見るような目付きはよせよ。フンッ、お前のご近所さんにも朗報なんだから」