パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
「ああ、そうだったな。フンッ、アイツらの所為で忘れる所だった」


水と氷だけになってしまったグラスをひと煽りして、「もう一杯頼んでくる」と立ち上がった龍太郎を、純一郎がヤンワリと制した。


「ゲノムの奴らの所為じゃないすよ、博士。今日はちょっと飲み過ぎじゃ有りませんか? 人格者として名高い博士が、らしくないすよ」


「あ、ああ。悪かった。フンッ……そうだな」


椅子に倒れ込むようにしてだらしなく座った龍太郎は、声と表情だけは真剣になり、純一郎へ向き直る。


「お前を呼んだのは他でもない。ついにな……」


「でっ! 出来たんですかっ?」


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