パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
『アナザー・ワールド行』
「おえっ、ゴホッゲホッ」
「身体中が痛いな。フンッ」
「ここ、ラボの外ですよね。もしかして失敗?」
純一郎は重い身体にムチ打って、A.W.T.の外に這い出した。そこはラボの外、曇り空の屋外だ。
ピィィィッ
すると突然、各々が腕時計のように付けている人物特定レーダーが警告音を発し、画面に3人の名前が点灯する。
ピッ ピッ ピッ ピッ……
心拍数を知らせるような電子音が、ひと気の無い空間を不気味に席巻している。
「緑ランプ点灯、あと5mです」
ジャンプの弊害か、純一郎はオレンジ頭を総毛立たせて言った。
ピピッ ピピッ ピピッ……
3人は固唾を飲んでラボの扉を見守っている。