パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
ラボに案内された3人は、改めて異世界の自分と机を挟んで対峙した。


『俺の頭はそれ、一体どうなってるんだ?』


「ああ、また爆発したままだったよ」


こちらの純一郎は愛想笑いをしながらあちらの自分を盗み見る。あちらの彼は弱々しく、少しだけ笑った。


『ご覧頂いたように、この世界は深刻な大気汚染が続いています。フンッ、太陽が遮られているお陰で、真夏の日中でも15〜20℃までしか気温が上がりません』


「ああ、それでラボ内に暖房が入ってるんですね?」


『ええ。この汚染に依って健康も常に脅かされています。こちらの成人の癌発症率はほぼ90%です』


「きゅ、九割ですかっ」


3人は思わず顔を見合わせていた。


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