パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
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「おおい! 加瀬。まだ着かないのか? フンッ!」
晴天の異世界に無事着水してからはや一時間。龍太郎は痺れを切らし、ぼやいていた。
「そんなこと言ったって博士、これで目一杯なんですから」
陸地は遥か遠くにうっすらと見えているだけだ。
「フンッ、お前の操船が悪いんじゃないのか?」
「フロートの浮力が弱いんすよ。A.W.T.の車体が水に浸かってるから、その抵抗で進みが遅いんです。設計ミスですよぉ」
龍太郎は400kgにも及ぶトラベリング・システムの重量をすっかり忘れていたのだ。
「フンッ、元々普通の軽自動車用だったんだから仕方ないだろう」
空はどこまでも晴れ渡っているのに、3人の雲行きは怪しくなっていた。
「おおい! 加瀬。まだ着かないのか? フンッ!」
晴天の異世界に無事着水してからはや一時間。龍太郎は痺れを切らし、ぼやいていた。
「そんなこと言ったって博士、これで目一杯なんですから」
陸地は遥か遠くにうっすらと見えているだけだ。
「フンッ、お前の操船が悪いんじゃないのか?」
「フロートの浮力が弱いんすよ。A.W.T.の車体が水に浸かってるから、その抵抗で進みが遅いんです。設計ミスですよぉ」
龍太郎は400kgにも及ぶトラベリング・システムの重量をすっかり忘れていたのだ。
「フンッ、元々普通の軽自動車用だったんだから仕方ないだろう」
空はどこまでも晴れ渡っているのに、3人の雲行きは怪しくなっていた。