パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
「まあまあ……天気もいいんだからのんびり行きましょうよぉ」


流がその場を取り持とうとしたその時だった。


  ガッ ガガッ


鈍い音がしたかと思うと、A.W.T.が急に傾いた。


「フンッ、なんだっ? どうしたっ?」


「解りません、ああっ! 右前輪がフロートから外れてます!」


「流っ! お前ちゃんと締め付けトルクの確認はしたのか?」


「あっ、ええ……大豆(オッサン)と話していて忘れてしまったかも……」


なんだ、俺の所為か?

とにかくどういう状況に在るのか、確認をするのが先だろう。


「そんなことは大豆(オッサン)に言われなくても解ってるって!」


純一郎はオレンジの頭を振り乱して車載工具を持ち出した。


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