パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
『機械の世界』
「はっはっはっ、流でもそんなに怒ることが有るんだな」
「当然ですよ」
純一郎のお陰で普通に帰ってこれた一行だったが、流はまだ虫の居所が悪そうだ。
「でもワクワクしないか? 次の世界は文明が発達してて、機械化が進んだ世界なんだぞ? 一体どんな感じなんだろう」
「フンッ、物見遊山じゃないんだぞ、加瀬。ついに治療法が得られるかも知れんのだ。今日はもう渡航しないで、明日に備えよう」
龍太郎は小型A.W.T.に信書を託すと、機械の世界へ跳ばしていた。
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翌日。
「フンッ。向こうは台風が来るそうだ。出来れば今日は避けたいんだが、蓮さんからいつまでも発電機を借りているわけにもいかんからな」