パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
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到着したそこは夜と間違える程暗く、バケツをひっくり返したようなどしゃ降りの世界だった。アナザー・ワールド・トラベラーのワイパーが全速力で水を掻くが、景色は殆んど闇に紛れている。


「大変だ、来る世界を間違えてます。ラボが無いっすよ、博士っ!」


ヘッドライトを点灯して目を凝らしていた純一郎が叫んでいる。


「いや、ここのフンッ筈だ」


  ガシャン ガシャガシャン ズズズ……ンン


身体を揺さぶる重低音と、耳障りな機械音が鳴り響いた。


「なんですかっ? これは?」


「俺にも解らない、博士?」


「フンッ、私にだって解るものか!」


  ズズズゥゥゥンン


そして地鳴りが止むと、今までうるさいほどに車体を叩いていた雨もピタリと息を潜めていた。


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