パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
『ナチュラルな世界』
機械の世界で核融合と最先端マイクロマシンテクノロジーのノウハウを得た龍太郎達は、意気揚々と現世に帰還した。
A.W.T.に加えたその2つが有れば、間違いなく世界的な研究となり、科学者としての将来もそれがもたらす膨大な利益も約束されたようなものだったからだ。
「フンッ。しかし次は気が重いな」
「ナチュラルな世界の人達とは、レベルが違い過ぎますからね」
「そんなことないっすよ。彼らだって人間なんすから」
純一郎が何とか皆を奮い立たせようとするが、その努力は徒労に終わる。
「だって、もしですよ? 博士が今の知識のまま小学一年生に戻ったとして、それから大学卒業まで勉学を続けたら……」
「そりゃとてつもない知識量の大人が出来上がるよな。しかも彼らはその経験をもう何回も繰り返してるんだ」