パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
「なになに……フンッ、病気はくるみの行く末に必要なことだとか抜かしやがって! フフンフンッ!」


あちらからの返信を読んだ龍太郎は地団駄を踏み、鼻息も荒く怒りをあらわにしている。


「……でも最後に、親としては堪らないだろうから治療法を授けるとも書いて有るんすけど」


龍太郎が投げ捨てた書簡を拾いあげ、読んだ純一郎が言った。

輪廻転生が常識で、前世を記憶として実感しているあちらの世界なら来世へ望みを託すことも出来る。しかしこちらに取ってみれば、今生で最善の措置をしてあげるのが親心というものだ。

あちらの龍太郎はそこも汲んだ上で、こちらに返事を寄越していた。


「フンッ! 何から何まで見透かされているようで気分が悪いな。しかしくるみの為だ、出発の準備をしてくれ」


「アイアイサー」「イエスサー」


純一郎と流は早速準備に取り掛かった。


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