パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
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「なんて澄んだ空気なんだ!」
「ここ、本当に理研ですか」
龍太郎一行が跳んだのは間違いなく理研の原口龍太郎ラボだったが、緑に囲まれたそこは、庭園内に有る洒落た喫茶店のような作りだった。
ピィィィィッ ピッ ピッ ピピッ ピピッ ピピッ……
『ようこそ、スン。原口龍太郎ラボへ』
両手を広げて一行を迎えたあちらの龍太郎は、軽く鼻に手の甲を添えると、たおやかに啜り上げた。
「同じ鼻炎でも、鼻を啜る仕草があんなに高貴に見えるのは何故だっ?」
「フンッ、どうせ私のは下品ですよ」
龍太郎はおちゃらけて返したが、その実すっかり萎縮していた。
これまでは常人を遥かに上回る頭脳で、名誉も報酬もその手にしてきた彼だった。しかし今目の前に居るのは、自分の何倍も知識と経験を重ねて来た、超優秀な頭脳を持った存在なのだから。
「なんて澄んだ空気なんだ!」
「ここ、本当に理研ですか」
龍太郎一行が跳んだのは間違いなく理研の原口龍太郎ラボだったが、緑に囲まれたそこは、庭園内に有る洒落た喫茶店のような作りだった。
ピィィィィッ ピッ ピッ ピピッ ピピッ ピピッ……
『ようこそ、スン。原口龍太郎ラボへ』
両手を広げて一行を迎えたあちらの龍太郎は、軽く鼻に手の甲を添えると、たおやかに啜り上げた。
「同じ鼻炎でも、鼻を啜る仕草があんなに高貴に見えるのは何故だっ?」
「フンッ、どうせ私のは下品ですよ」
龍太郎はおちゃらけて返したが、その実すっかり萎縮していた。
これまでは常人を遥かに上回る頭脳で、名誉も報酬もその手にしてきた彼だった。しかし今目の前に居るのは、自分の何倍も知識と経験を重ねて来た、超優秀な頭脳を持った存在なのだから。