屍の孤島
ゆっくりと、銃口が押し付けられる。

「お前、化け物か?」

しゃがれた老齢の男性の声。

「撃つな!」

秀一は思わず声を荒げる。

「俺はゾンビじゃない!まともな人間だ!撃たないでくれ!」

ゾンビに殺されるならまだしも、人間に射殺されるなんて笑えない。

必死に声を上げると。

「…何なぁ、人間か…脅かすな」

銃口はスッと引かれた。

慌てて振り向く秀一。

背後に立っていたのは、声から想像した通りの初老の男性だった。

手にしているのは猟銃。

この島の猟友会に所属している猟師だった。

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