屍の孤島
…木霊する銃声がやがておさまり、周囲には静寂が訪れる。

「……」

地面に腰を抜かしたまま、秀一は呼吸を荒くした。

危ない所だった。

あと少し発射が遅れれば、秀一もまたゾンビの餌食になっていた所だろう。

いや、正確にはあの蟲の餌食に…か。

秀一はようやく立ち上がり、目の前に倒れている元は猟師だった者の死体に近づいた。

また突然起き上がって襲い掛かってきたりはしないだろうか。

そんな不安に駆られながら、彼は猟師の着ていた着衣のポケットを探る。

…案の定、彼はポケットに猟銃の弾を幾らが入れていた。

弾丸の装填も秀一にはよくわからないが、移動しながら覚えるとしよう。

何にせよ、猟銃という頼りになる武器が手に入ったのだ。

使わないのは勿体無かった。

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