屍の孤島
桜庭 梨紅(さくらばりく)
『梨紅ちゃんはいいよね、顔が可愛いってだけで大きい仕事もらえてさぁ』
『演技ヘタクソでも特別扱いしてもらえるから、顔がいいって得だよね』
『何で桜庭みたいな大根子役がヒロイン張れんの?信じらんない!』
『芸能プロダクションのロリコン社長に、体でも売ってんじゃないの?』
…梨紅はそう言われながら、天才子役と呼ばれるまでに登り詰めた。
演技が下手だと言われれば、寝る間も惜しんで演技の勉強をした。
台詞が棒読みだと言われれば、日に何時間も台本片手に台詞の練習をした。
努力は惜しまなかった。
だけどどんなに努力しても、頑張ってみても、認めてくれない者は絶対に認めてくれなかった。
華やかなスポットライトに照らされる芸能界という世界。
しかし一歩スポットライトから離れれば、そこは嫉妬と欲望に満ちたどす黒い世界だった。
剃刀入りの脅迫状を送りつけられた事もある。
台本をズタズタに引き裂かれ、ゴミ箱に捨てられていた事もある。
だけど自分を応援してくれるファンの前では、そんな事は億尾にも出さず、梨紅は常に笑顔で振る舞った。
それが一番最初に覚えた『人を騙す事』…。
『演技ヘタクソでも特別扱いしてもらえるから、顔がいいって得だよね』
『何で桜庭みたいな大根子役がヒロイン張れんの?信じらんない!』
『芸能プロダクションのロリコン社長に、体でも売ってんじゃないの?』
…梨紅はそう言われながら、天才子役と呼ばれるまでに登り詰めた。
演技が下手だと言われれば、寝る間も惜しんで演技の勉強をした。
台詞が棒読みだと言われれば、日に何時間も台本片手に台詞の練習をした。
努力は惜しまなかった。
だけどどんなに努力しても、頑張ってみても、認めてくれない者は絶対に認めてくれなかった。
華やかなスポットライトに照らされる芸能界という世界。
しかし一歩スポットライトから離れれば、そこは嫉妬と欲望に満ちたどす黒い世界だった。
剃刀入りの脅迫状を送りつけられた事もある。
台本をズタズタに引き裂かれ、ゴミ箱に捨てられていた事もある。
だけど自分を応援してくれるファンの前では、そんな事は億尾にも出さず、梨紅は常に笑顔で振る舞った。
それが一番最初に覚えた『人を騙す事』…。