屍の孤島
夕映は席を立ち上がり、船内から出る所だった。
その表情に変化はない。
初対面の人間にはわからないだろうが、これでも夕映は浮かない表情をしていた。
数日前から、祖母と連絡がつかない。
元々ここ数年、体調が思わしくなかった祖母。
それでも見舞いに行った時は笑顔で夕映を迎えてくれたし、病院の先生はそろそろ自宅療養に切り替えてもいいと言って下さっていた。
病は快方に向かうこそすれ、急変したり悪化するような兆候は一切なかったのだ。
それが突然の音信不通。
祖母と直接連絡がとれないのは勿論、祖母の入院している病院にも電話が繋がらなくなっていた。
夕映でなくても何かあったと感じるのが普通だろう。
船室から出て、タラップに足をかけ、ゆっくりと歩いて。
「っ…!」
彼女は、前を歩いていた秀一が突然立ち止まった事で、その背中に額をぶつけてしまった。
その表情に変化はない。
初対面の人間にはわからないだろうが、これでも夕映は浮かない表情をしていた。
数日前から、祖母と連絡がつかない。
元々ここ数年、体調が思わしくなかった祖母。
それでも見舞いに行った時は笑顔で夕映を迎えてくれたし、病院の先生はそろそろ自宅療養に切り替えてもいいと言って下さっていた。
病は快方に向かうこそすれ、急変したり悪化するような兆候は一切なかったのだ。
それが突然の音信不通。
祖母と直接連絡がとれないのは勿論、祖母の入院している病院にも電話が繋がらなくなっていた。
夕映でなくても何かあったと感じるのが普通だろう。
船室から出て、タラップに足をかけ、ゆっくりと歩いて。
「っ…!」
彼女は、前を歩いていた秀一が突然立ち止まった事で、その背中に額をぶつけてしまった。