屍の孤島
男から、尖った気配が感じられる。

邪な表情を浮かべる男にビクリと身を震わせ、踵を返そうとする梨紅。

この尖った気配…これは『殺意』というものではないのか。

男は、咄嗟に逃げようとする梨紅の肩を掴み。

「うぐぅっ!」

節くれだった両手の指で、梨紅のか細く白い首を締め上げた!

太い親指で、喉の付け根を押し込まれる。

残る指で、絞るように首を締め付けられた。

男はそのまま、梨紅を井戸の縁へと追い詰めていく。

「梨紅ちゃんが死んだら、化け物に食われたりせんように井戸に投げ込んであげるけぇね…寂しゅうないよ、すぐに俺も後を追ってあげるけぇ」

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