屍の孤島
フワリと空中に投げ出される体。

力尽きた夕映はそのまま縄梯子から落下…。

「!?」

する直前で、秀一に腕を掴まれた!

「馬鹿野郎!放すなって言っただろう!」

思えば、秀一は脱出直前までゾンビ達と格闘していた。

疲労の度合いで言えば、夕映よりもずっと上の筈。

それでも彼は夕映の腕を掴み、歯を食いしばって耐える。

「お前ふざけるなよ!また俺の目の前で仲間を見殺しにさせる気か!」

それは、助けられなかった梨紅を想っての叫び。

「死なせない!絶対に死なせない!もう誰も死なせるもんか!」

心からの叫び。

その叫びに。

「はい…」

「うん…生きて帰ろう…!」

夕映も奏も、涙を浮かべて頷いた。

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