屍の孤島
自然と建物内の面々は深刻な表情で黙り込む。

助けは期待できない。

ここにいる六人だけで、この絶望的な状況を何とかするしかないのだ。

「…誰か船を操縦できる人はいるかい?」

小野寺が言う。

ここは港だ。

船は外にあるのだから、それさえ動かせれば島から出られるのだが、操舵手である老人は殺されてしまった。

船を動かせる人間がいなければ話にならない。

小野寺の問いかけに挙手したのは。

「……」

意外にも夕映だった。

「君、高校生だろう?船舶免許持ってるのかい?」

驚いたように言う秀一。

夕映は首を横に振る。

「免許はないけど…祖母のお見舞いでさっきの船によく乗ってて…操舵手さんの操縦はよく見てました…私は機械には強いから…多分見様見真似で動かせると思います…」

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